ServiceNowのライセンス体系は中々複雑で、ぱっと資料を見たり説明されただけでは中々理解するのが難しいと思います。そこで、この記事ではライセンス体系の基本を説明します。
なお、この記事は公式・正式な情報ではありません。費用の見積もりなどを行う際は必ずServiceNow社に請求した資料を参照してください。その前提で、ライセンス体系を理解するための参考にして頂ければと思います。
ライセンスに関わる用語の整理
まずはライセンスに関わる用語を整理しておきます。
Product(プロダクト)、Package(パッケージ)
Product(プロダクト)
ServiceNowには様々な機能が存在し、機能一つ一つを”Product(プロダクト)”と呼びます。プロダクトは、公式ドキュメントのProduct directoryに一覧が示されています(適宜最新バージョンのDOCSに切り替えてご覧ください)。
プロダクトの代表例として、Incident Management(インシデント管理)、Service Catalog(サービスカタログ), Dashboard(ダッシュボード)があります。
Package(パッケージ)
Package(パッケージ)とは、プロダクトを集めた、ライセンス(サブスクリプション)を購入する単位のことです。
パッケージの代表例として、IT Service Management(ITSM)、Customer Service management(CSM)、App Engineがあります。
大抵のパッケージにはグレードが存在し、Standard(無印) < Professional < Enterpriseの順に使える機能が増えます。プロダクトとパッケージの関係、パッケージのグレードのイメージは下図の通りです。
厳密に単語が使い分けられているわけではない
同じ”IT Operation Management”でも、StandardやProfessionalといったグレードを考慮した場合はPackage=パッケージと表現されています(画像右側)が、グレードを考慮しないIT Operation ManagementをProduct=製品と呼んでいることもあるようです(画像左側)。
また、ITOMの中の機能であるDiscoveryについてもProduct directoryに載っているのでProduct=製品と見ることもできれば、公式サイトでは”Function=機能”とも表現されているなど、用語が厳密に使い分けられているわけではないことに注意です。ただ、いずれにしても機能ごとの階層と、それをまとめた階層の2階層があるという点を抑えておけばよいと思います。
License model(ライセンスモデル)
License model(ライセンスモデル)とは”どのような単位で課金されるか”=課金形態を表すものです。ライセンスモデルの具体例は後述します。
パッケージごとに適用可能なライセンスモデルが決まっています。パッケージによっては適用可能なライセンスモデルが複数存在することもあります。
Subscription(サブスクリプション)
Subscription(サブスクリプション)は、どのパッケージを、どのライセンスモデルで、何単位購入するかの組み合わせです。ServiceNowを利用するということは、少なくとも1つのSubscription(サブスクリプション)を購入することになります。
ライセンスモデルの代表例
パッケージごとに様々なライセンスモデルがあります。どのような概念のライセンスモデルがあるかを紹介します。
ユーザ単位
ITSM等で適用されるのが、ユーザの数に応じて課金されるモデルです。ユーザ単位のライセンスモデルの中でも、全ユーザに一律で課金されるモデル(実際はもう少し細かい条件あり)や、権限に応じて課金額が異なるモデルがあり、利用の仕方によって選択をします。
管理対象単位
主にITOM(IT Operation Management)で適用されるのが、管理対象となるサーバーやネットワーク機器などの数に応じて課金されるモデルです。
通信回数単位
外部システムと連携するための機能であるIntegrationHubで適用されるのが、トランザクション(通信回数)の単位で課金されるモデルです。
%割増しモデル
データの暗号化のオプションなど、基本機能に+αで追加する機能で適用されるのが、基本機能に対する金額に○○%増しという形で課金されるモデルです。
以上です。繰り返しになりますが、正式・公式な情報はServiceNow社へご確認ください。
コメント